技術情報
吸音材の吸音効果が塗料により劣化するケース
2024/06/10
- 無響室・防音室のソノーラ
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- 吸音材の吸音効果が塗料により劣化するケース
ソノーラの営業担当が、某自動車メーカーに設置された、他社製防音カバーを見学しました。
その防音カバーは以下のような内壁構造でした。
- 表面材:パンチングメタル(塗装仕上げ)
- 吸音材:グラスウール(ガラスクロス仕上げ)
この構造は、吸音上問題はありませんが、パンチングメタルに吹付塗装をする際に、吸音材も塗装してしまっていました。
吸音材は基本的に通気性がよくなくてはなりません。音は空気中に伝わりますので、吸音材に塗装をしてしまうと、空気の入口を潰してしまい、吸音材の吸音効果を著しく下げてしまいます。
この防音カバーは防音の専門会社が製造しました。専門会社であれば、当然このような理屈は基本であり理解しているはずです。
ではなぜこうなってしまったのでしょうか?
その理由は、製作工程上「面倒くさかった」からであったと想像します。
防音パネルを製造するにあたり、塗装は最終工程になりますが、塗装したパンチングメタルを別のパーツとして塗装をすると工程上作業が増えてしまいます。
そのため、パネルにパンチングメタルを貼り付けた状態で吸音材毎塗装をしてしまったと考えられます。
このような作りですと、防音カバーの吸音効果がない状態ですので、おそらく数百万円の防音カバーが意味のないものになってしまいます。
吸音材はデリケートなものです。使用方法や仕上げ方法には注意が必要です。
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