技術情報
無響室における吸音クサビ単体の吸音率について
2024/11/20
- 無響室・防音室のソノーラ
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北米の代理店から以下の問い合わせがありました。
They are asking about absorption ratio and absorber coefficient of wedge you quoted 0.6mtr
→彼ら(ユーザー)は吸音クサビ600mm厚の吸音性能を聞いている
これは海外で無響室導入を検討されているユーザーからの質問です。当社は600mm厚のクサビを内壁吸音層とした無響室を提案中でした。
しかし、この質問はあまり意味をなさないものです。その理由は、無響室の部屋としての吸音性は吸音クサビの単体吸音性能からは計算、設計を行わないからです。
吸音クサビの吸音率は、垂直入射法(ISO 10532-2 音響〜インピーダンス管による吸音率及びインピーダンスの測定〜定在波比法)で測定しますが、無響室の吸音設計は吸音率だけで決まるわけではありません。
吸音率から無響室の吸音性能を推定する計算式もありますが、今は使っていません。
ISO3745:2012を基準とした無響室設計法に対する現実と理想
https://www.soundenvironment.jp/technology/iso37452012/
こちらの記事にあるように、2012年のISO3745改訂により、それまで記述のあった「無響室の壁、天井面に施工する吸音材は対象の周波数で0.99以上の垂直入射吸音率とする。」という一文は削除されました。
つまり、無響室は部屋として逆二乗則を満足すれば良いということになります。このようになった理由は、無響室の吸音体や形状、その他要素により、無響室の吸音性は年々向上していることから、従来のモデルケースが当てはまらなくなったことによります。
つまり、無響室の設計法は各無響室メーカーによって異なりますので、一概に吸音率の高い吸音クサビを使用すれば良いということにはなりません。
当然、設計法の詳細については企業秘密ですのでお答え出来ないことになります。他メーカーも同様です。お答え出来ない代わりに、性能保証をしています。
これらの理由を冒頭の代理店にお伝えし納得してもらいました。
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