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反響音を元に戻す?
2024/10/02
- 無響室・防音室のソノーラ
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- 反響音を元に戻す?
「反響音を元に戻す」という言葉は、当社内では日常のように使用されていますが、一般的には意味不明であると思います。
反響音を元に戻すというのは、防音の設計上重要なことです。
「反響音」とは、ある空間内で発生した騒音が、床壁天井あるいは空間内にせっちされた物に当たって跳ね返り、反響してしまったことを言います。
反響してしまった音は、跳ね返りを繰り返すことで増幅し、よりうるさくなってしまいます。反響騒音といいます。
「元に戻す」とは、反響を防止することです。吸音材を施工、部屋の形状を変えたり、反射物を取り除くことで、反射しないようにします。
ホテルの大浴場などで話し声が反響し、声が大きく聴こえる体験をされたことがあると思います。
大浴場は水場ですので、床や壁などは水を弾くように、タイルなど硬くツルツルな仕上げとなっています。
硬くツルツルな材料というのは音を跳ね返しやすいです。
工場内で騒音が発生した場合、同様に、硬くツルツルな箇所が多く存在すると騒音が増幅する原因になります。
工場であれば、コンクリート床や鉄骨柱、壁材、設置された機械類などです。
工場にあるうるさい機械が80dB(A)の騒音を発生したとすると、もし反射物が多くあると、増幅されているわけですから、実際には騒音源から発生している騒音は、80dB(A)よりも小さい可能性があります。よって、反射物を取り除くことで、例えば77dB(A)となったら、80-77=3dBが反響騒音分といえます。
3dBと聞くと、大して増幅しているようには思えないかもしれませんが、3dBの増幅は音エネルギーが倍になったといえます。
* dBは対数スケールで音の強さを表す単位であり、音のエネルギーが倍になると、音圧レベルは約3dB増加します。
騒音対策上、反響騒音の影響を考慮することは非常に重要です。これを無視し失敗したケースを何度もみてきました。
失敗例
近隣から工場騒音に対する苦情が入り、工場側は建築会社に防音工事を依頼した。
対象地点(敷地境界線)での騒音レベルは70dB、これを55dBに下げるために、建築会社はコンクリート壁を敷地境界に建てた。結果、騒音は下がるどころか余計にうるさくなってしまった。その原因は、コンクリート壁が音を反射して増幅してしまったからです。→嘘のような話ですが、このようなケースは多いです。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
一つはその建築会社の知識経験不足ですが、もう一つは騒音対策を「点」でしかみていないからです。
コンクリート壁は遮音材としては優秀です。優秀な遮音材を立てれば音は遮断できるだろうという考えは正しいですが、遮断した音がどうなるのかまで考えていなかったということです。エネルギー保存の法則を理解していないとこういうことが起こります。
まとめ
- 反響騒音の防止は防音設計上重要なことです。
- 遮蔽物だけで遮音をしても音は跳ね返ります。跳ね返った音は増幅する可能性があります。
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