技術情報

鋼管内の共鳴騒音

2024/10/05

鋼管(丸パイプや角パイプなど)は管の内部が空洞になっており、管の共鳴騒音が発生することがあります。

事例A

上図は門型クレーンです。ガーダ部分がIビームなどで作られておらず、鋼管で作られている場合に、クレーン稼働音が鋼管内で共鳴し騒音が発生したという事例があります。

特にクレーンが動→停時にブレーキがかかる際に、反響を伴ったような音が工場全体に響き渡ってしまったという話がありました。

事例B

音響測定室内に、丸パイプで作られたラックを新設したところ、測定音がパイプ内で共鳴してしまった。

事例C

防音室のフレームを角パイプで作ったところ、騒音が角パイプ内を伝わり防音室の遮音性を損なった。

事例D

仮設工事時の足場、単管パイプ組み立て時の騒音、工具などの金属接触による騒音がパイプ内で増幅、近隣からの苦情が発生

これらの事例のように、中が空洞であるパイプは、騒音問題を引き起こすことがあり注意が必要です。

では、これらを防止するためにはどうするかですが、パイプ内に材料をきっちりと充填し、空洞ではないようにすることと、その状態を恒常的に保持することです。

充填材に砂を入れれば良いという話をよく聞きます。

確かに砂は効果的ですが、砂は重力や振動などでならされていき、新たな空洞が生まれてしまうことがあります。よって、砂を充填し、しばらくの間は共鳴騒音を防止できたとしても、新たな空洞が発生したことによる騒音問題が再発する可能性があります。そもそも、パイプ内に砂を充填するとかなり重たくなってしまいます。

よって、恒常的な騒音防止設計が必要になります。ただ、ケースバイケースですが、簡単に対策出来る場合もあります。

騒音問題でお困りの方は当社までお問い合わせください。

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