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吸音材選定のために重要なこと
2023/07/03
- 無響室・防音室のソノーラ
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世の中には多くの吸音材が存在します。
日々、各メーカーでは吸音材の開発を行い、製品化され続けています。
では、吸音設計をするにあたり、どのように吸音材を選定すれば良いのでしょうか?
ここでは、数多くの吸音材の中から吸音材を選定するポイント、方法について記載します。
目的
まずは、どのような音(周波数帯など)をどの程度(数値)吸音したいか?
という吸音設計の目的を明確にします。
- 音響測定を行う場合:測定対象周波数(下限から上限)の明確化、データ取得
- 騒音対策の場合:対象音源の周波数(1/1, 1/3OCTなど)、各周波数の騒音レベル等の明確化。データ取得。なければ実績値を参考
- 音響調整の場合:対象音源の周波数の明確化、残響時間設定など
方法
吸音設計=音響設計、対象とする空間の設計が必要です。
音響シミュレーションソフト、各種計算式による設計を行います。
吸音材を施工する面積、吸音材の形状、吸音材の厚さを実績や仮定条件としてシミュレートします。
吸音材の選定
注意すべきこと
吸音材は、正直「使ってみないとわからない」です。
使ったことがないものは、吸音材として選定することは好ましくありません。
なぜなら、
A. 各社が公表している吸音率データは測定条件などがバラバラですし吸音率測定方法自体または比較方法にも問題があります。
B. 吸音材はその特性上特殊な材料であり、繊維が飛散したり、経年変化したり、表皮材が剥がれたりなどマイナス面が大きい材料も存在していることから、「使ったことがない」とこれらの問題がわからないと言えます。
今まで使用実績のない、知見のない吸音材を選定しようとする際は、メーカーからサンプルを取り寄せる、関連データを求める、メーカーでの実績、メーカー責任範囲(使用上問題となった場合の対処など)などを問い合わせる必要はあると思います。
C. 基本的なことですが、内装制限のある施工現場では使用が出来ない吸音材も存在します。
D. 「良い吸音材はないかな?」と各メーカーの吸音材紹介ページやパンフレットを見て、「これは良い吸音材だ」と思ったとします。ですが、それはなぜでしょうか?思い込みはありませんか?営業トークやPRを鵜呑みにしていませんか?
E. 吸音設計の目的に合致し、選定した吸音材・・適正価格でしょうか?
基本的には、市場に出回っていない吸音材はかなり割高である場合が多いです。
また、散々吸音材を調査し尽くした筆者の経験上、「似たような吸音材の性能はA商品だろうがB商品だろうが大差ない」と断言出来ます。現時点では、メインとなる吸音材は素材によって大別されており、それらを覆すほどの新たな素材や画期的な吸音材ははっきり言って世の中にありません。(市場に出回っていない高性能な新素材はあるかもしれませんが、前述の通り割高傾向にあります。)
吸音材は、メインとなる吸音素材の組み合わせでしかありません。なので、A素材とB素材を組み合わせた商品は、A素材とB素材の価格+製造コストを合わせたものであり、それが適正価格です。その価格を超える商品は高額商品です。※このような商品はたくさん存在します。
グラスウールやロックウール、メラミンフォーム、ウレタン、これらがメイン素材です。(素材の密度が変われば、価格は変動します。)これに表面素材である生地を貼ったり、形状を工夫した李、共鳴膜を追加したものが吸音材です。
ソノーラの吸音材(新型吸音板BFB)を御紹介します。
この吸音材も素材の組み合わせにより作られたものです。
まとめ
- 吸音設計の目的を明確にする
- 吸音設計により吸音材を選定する
- 吸音材は素材の組み合わせ=吸音材選定の基準
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