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【グローバル顧問:南治子のコラム3】ソノーラテクノロジーとの出会い
2024/12/19
- 無響室・防音室のソノーラ
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「一度、会長と話してみませんか。」
以前、関西の中堅企業で創業者兼会長の顧問をしていた私にとって会長とは、年配者であり、戦後の貧しい時代をくぐり抜けて一代で叩き上げた無骨な印象がありました。
そのような重鎮の方とお話をするとなると、若輩者である自分はやはり怖気づいてしまいます。
ところが面談当日、東京のソノーラ本社と大阪にいる私をビデオでつなぎ、緊張しながら画面をオンにしたところ、自分の先入観を見事に崩す風貌の会長が登場しました。
年配者どころか、どことなく若い頃の小室哲哉さんを彷彿とさせるような、今時のさわやかな青年だったのです。
そして会長から最初にされた質問が、
「南さんは、後何年働きますか?」
この言葉に、私は新卒で受けた就職面接を思い出しました。
「南さんは何年くらい働きますか?」
結果入社した財閥系企業の最終面接で聞かれた言葉です。
就職氷河期で面接に落ちまくっていた私は、受かることだけを考えて、
「5年は頑張りたいと思います!」
と答えました。すると人事部長は笑みを浮かべながら、
「でも、いい人がいればねぇ(いずれ寿退社されるのでしょう)。」
当時はそんな時代でした。あれからウン十年経ち、就職ではなく顧問という立場の面談で、
働く年月の長さに本気度を測られたことをうれしく思い、
「御社の目指すゴールまで一緒に走りたいと思います。」
というようなことを確か答えました。
それから会長は、一つ一つ言葉を選ぶように、ソノーラの現状と未来について語り始めました。
- ソノーラは小さな所帯だけれども少数精鋭であり、組立式無響室等のニッチ市場で日本のシェアNo.1、しかもほぼ100%を占めていること。
- 無響室は一旦納入すると20年単位で使用するものであり、また故障等によるメンテナンスもほぼ発生しないため、納入後は新規需要が発生しにくく日本の市場はこれ以上伸びしろが期待できないこと。
- 一方、海外ではVSAC(Vehicle Semi-Anechoic Chamber/車両用半無響室)などの無響室需要の増大による大きなビジネスチャンスが見込まれるため、これまで日本で培ったノウハウを生かして、海外進出を実現させたいこと。
そして会長は、この会社の底力を知らしめるエピソードを話し始めました。
- 一年ほど前、世界の大手競合他社3社と競った末に、誰もが知る欧州の家電メーカーからの受注に成功し、無響室を納入した実績があるため、ソノーラ製品には優位性および競争力があること。
途端に、それまで「中期経営計画を見せて頂けませんか。」と教科書通りに言っていた自分が恥ずかしくなりました。
顧問を依頼される中小零細企業経営者の中には、
「売り上げを二倍にしたいが実現できるか」
「本当にうちの製品を売れるようにして頂けるのか」
といった経営計画の念押しのような確認をされる方もいます。しかし、顧問側からすると、
「その製品は本当に市場で求められているのか」
「為替変動リスクや需給バランス等、外的要因も考察した上で話しているのか」
と言い返したくなることもあります。
しかし、ソノーラの製品はすでに世界へとフィールドを広げる足がかりを自力でつかみ、手ごたえを実感していたのです。
ビデオ面談の最後に、それまでほとんど目線を合わさなかった会長が、鋭い目力でウェブカメラを見つめ、
「南さん、弊社の海外進出へのご協力を是非宜しくお願い致します。」
とさわやかな声色で仰った時、私は、世界に向けて今まさに羽ばたこうとしているソノーラテクノロジーとともに、ゴールまで走り続けることを決意しました。
(終)
ソノーラテクノロジー株式会社 顧問 南 治子
<略歴> 関西学院大学文学部フランス文学科卒業後、ベルギー王国総領事館商務部勤務を経て、企業顧問・コンサルとして独立。主に欧州企業の日本市場進出支援を行う中で、日本のすばらしい数多くの中小零細ものづくり企業と出会い、日本から世界へフィールドを広げる企業支援も手掛けるようになる。ソノーラでは主に欧州市場新規開拓を支援。
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