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【グローバル顧問:南治子のコラム2】ソノーラテクノロジーとの出会い
2024/12/14
- 無響室・防音室のソノーラ
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週1回1時間、東京のソノーラテクノロジーとスイス企業の間のウェブ会議通訳をすることになった私は、技術用語の習得に苦心しました。「無響室」という日本語さえ聞いたことがなかったのです。しかも英語で “anechoic chamber” なのですが、この表現は「電波暗室」の英訳としても使われており、次々出てくる新たな技術用語の対訳をひたすらノートに書き綴る日々でした。
一方で有難いことに、当初「技術用語はわかるのですか?」と聞いた営業担当Cさんを始め、設計担当のHさんなどソノーラの方々が、私が会議中に用語で引っかかるたびに助け舟を出してくれました。
そしてスイス企業に対し、Cさんの「Noと言える強さ」や、言い返せるだけの「技術力に裏打ちされた自信」にもしばしば感銘を受けるようになりました。
スイス企業側の依頼でこの仕事を始めたものの、私はだんだんソノーラという会社に興味を抱くようになっていったのです。
そんなある日、半年ほどたった頃でしょうか、スイス企業側の急な顧客対応発生により、ウェブ会議が直前にドタキャンとなる事態が発生しました。
Cさんと私はすでにウェブ会議室に入っていたため、私は「折角ですので、雑談でもしませんか」と提案をしました。というのも、以前からCさんに聞いてみたいことがあったからです。それは、なぜこんなに優秀な技術営業担当者が、大企業でなく小さな会社で働いているのだろうという疑問でした。
しかしCさんからは、予想に反するどころか想像もしなかった回答が返ってきました。
「当時、家から一番近い会社だったから。」
その動機に驚かされましたが、その瞬間「置かれた場所で咲きなさい」というラインホルド·ニーバーの名言を思い出しました。
今いる場所で出来ることを精一杯行う。
私たちはともすると大義名分を振りかざして仰々しい志望動機を推敲し、何とか世間で知られている大企業に入ろうと作戦を練りがちです。
でも人が生きていくために働く本質的な理由はもっとシンプルで、それがこの国のものづくりを支えており、強いては日本の全企業のうち99.7%を占める中小零細企業を支えているのだということに気づかされたのです。
さらにCさんが言った次の台詞に、私は再び驚かされました。
「一度、会長と話してみませんか。」
「そこから何かつながるかもしれない。もしかしたら何も起こらないかもしれない。」
「でも、世界中から問い合わせがあるのに、外国語のできる人材がいないために断らざるを得ない現状、案件を獲得するチャンスを取りこぼしている可能性、それらを打破するきっかけになるんじゃないかと思って。」
私はCさんの御提案を大変嬉しく受け取ったものの、会社の重鎮である「会長」と話すことに少し躊躇を覚えたのも事実です。
しかし、予想はまたしても見事に裏切られることとなりました。
(続く)
ソノーラテクノロジー株式会社 顧問 南 治子
<略歴> 関西学院大学文学部フランス文学科卒業後、ベルギー王国総領事館商務部勤務を経て、企業顧問・コンサルとして独立。主に欧州企業の日本市場進出支援を行う中で、日本のすばらしい数多くの中小零細ものづくり企業と出会い、日本から世界へフィールドを広げる企業支援も手掛けるようになる。ソノーラでは主に欧州市場新規開拓を支援。
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