技術情報
フィルムや保護材を貼った吸音板は吸音率が低下する?
2023/01/01
- 無響室・防音室のソノーラ
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- フィルムや保護材を貼った吸音板は吸音率が低下する?
吸音板は多孔質材料ですので、油や水が付着吸収しやすく、目詰まりが発生し吸音性能が著しく悪化してしまうことがあります。
これを防ぐために、吸音板の表面にフィルムを貼る対策が取られますが、フィルムは空気を通さないために、吸音板の特性を生かすことができません。特に、高周波音域では吸音率が低下してしまいます。
近年では、油が飛散する現場に対応した防音パネルが販売されていますが、図のように、耐油フィルムの上に更にパンチングメタル等で表面を保護する構成もあります。
パンチングメタルは穴あき効果といって、ヘルムホルツ共鳴器の意味をなすことから、防音室や防音カバーの内壁材に選定されます。
ただ、パンチングメタルの背面直下にフィルムを貼ると、更に吸音性を損なう傾向にあります。
※ 参照:小林理学研究所「表面保護をした多孔質材料の吸音特性」
つまり、図のような防音パネルは、二重に吸音性能を損なう構成ですので弊社では非推奨としています。
また、フィルムは基本的に燃えますので、火気使用環境下での使用は好ましくありません。燃えにくいフィルムもありますが非常に高額です。
かといって、オイルミストフィルターも内壁建材としては好ましくありませんし、撥油コーティングも効果は限定的です。
水や粉塵に対応する吸音板はありますが、耐油となるとなかなか難しいです。
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