技術情報

A特性、C特性、Z特性

2024/08/08

音響測定におけるA特性、C特性、Z特性は、音の測定において異なる周波数特性を持つフィルターです。（周波数重みづけ特性）それぞれの特性は、音の大きさや品質を異なる方法で評価するために使用されます。

A特性

目的	人間の聴覚特性を模倣するために使用されます。
周波数特性	中低音域での感度が高く、高音域や低音域での感度が低く設定されています。具体的には、低音域では減衰し、高音域でも減衰が見られます。
使用例	音圧レベル（SPL）の測定で一般的に使用され、騒音測定や音響設計で広く用いられています。人間の耳が特定の周波数に対して異なる感度を持っているため、A特性はその感度に基づいて補正を行います。

C特性

目的	より広い周波数範囲を対象に、音の全体的なレベルを測定するために使用されます。
周波数特性	A特性に比べて、全体的にフラットで広い周波数範囲で均等な感度を持っています。特に低音域と高音域の影響を減らさず、より均等に音圧レベルを測定します。
使用例	高出力の音や低周波音の測定など、全体的な音の強さを把握したい場合に使用されます。

Z特性

目的	フラットな周波数特性を持ち、音の特性を純粋に測定するために用います。
周波数特性	音の周波数成分に対してフラットで、特定の周波数帯域に対して補正が行われていない状態です。
使用例	音響機器の性能評価や詳細な音響分析で、周波数に対する偏りなく音を測定したいときに使用されます。基本的に、どの周波数帯域も同じように測定するため、音響特性を正確に把握するのに適しています。

まとめ

A特性	人間の聴覚特性に基づいた測定。主に騒音測定に使用されます。
C特性	より広い周波数範囲での音圧レベルを測定。音響機器や大音量の測定に適しています。
Z特性	フラットな周波数特性での測定。音響特性の正確な分析に用います。

A特性、C特性、Z特性はそれぞれ異なる目的に応じて使い分けをします。騒音計であれば、騒音計の設定を変更することで、特性の切り替えができるものもあります。

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