技術情報

騒音計の周波数分析機能とは？

2024/08/15

騒音計は音を測るための機器ですが、(A) 周波数分析機能のついているものと、(B) ついていない騒音計があります。

下表は、ある音を騒音計で測定した騒音値データです。（単位dB）

HzAP31.5631252505001K2K4K8K
騒音値68.741.150.552.167.560.254.449.846.742.9
  • (A) 周波数分析機能がない騒音計は、表中AP部分である68.7dBの数値しか表示されません。
  • (B) 周波数分析機能のある騒音計は、全ての数字が表示されます。

騒音計の種類は多数あり、金額も異なりますが、周波数分析機能のない騒音計は安価です。

周波数分析が必要な場合

AP（オールパス）値だけですと、測定した音の高さがわかりません。

表の中で最も大きな数字が67.5dB@250Hzです。つまりピークの周波数は250Hzであり、低い音が大きいことがわかります。

周波数毎の数字が不明ですと、騒音対策を講じる際に対策方法が明確になりません。

騒音対策を行うためには、遮音・吸音設計を行う必要がありますが、遮音・吸音は周波数による特性の影響を受けます。

高い音ほど遮音・吸音はしやすく、低い音ほど遮音・吸音はしにくい傾向があります。

騒音対策は、音の測定分析→騒音源の特定→騒音評価→対策方法の検討、設計というプロセスにより成立しますので、周波数分析は必須といえます。

騒音計の周波数分析機能は、音の強さを特定の周波数帯域ごとに分けて測定する機能です。これにより、音の構成成分を詳細に分析でき、どの周波数帯域で音が強いか、またはどの周波数帯域が主に音の成分を占めているかを把握できます。

具体的には、周波数分析機能には以下のような利点があります：

1. 音の特性分析周波数ごとに音の強さを測定することで、音の特性や品質を詳細に把握できます。例えば、騒音が低周波成分が多いのか、高周波成分が多いのかを確認できます。
2. 騒音源の特定特定の周波数帯域で音が強い場合、その周波数帯域に関連する機器や設備が騒音源である可能性があります。これにより、音の原因を特定しやすくなります。
3. 対策の検討音の周波数成分に応じて、防音対策や音響処理の方法を検討できます。例えば、高周波ノイズには異なる対策が必要な場合があります。
4. 環境評価騒音がどの周波数帯域に集中しているかを知ることで、周囲の環境への影響をより正確に評価できます。特に、住宅地や商業施設での騒音評価に役立ちます。

周波数分析機能を使うと、騒音の具体的なプロファイルを把握でき、適切な対策や改善策を立てる際に非常に有用です。

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