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グラスウールの違い
2022/08/29
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”グラスウール”と一括りにいっても全てのグラスウールが同じではありません。
メーカーごとに作り方も材料も違います。
グラスウールメーカー
日本ではパラマウント硝子工業、マグイゾベール、旭ファイバーグラス、海外ではサンゴバン、オーウェンスコーニングなどが有名なメーカーです。
実際にグラスウールを目で見るとわかりますが、同じ密度でも質感も色も違います。
日本製と海外製の違い
わかりやすい例として、下の写真をご覧ください。
上が中国製、下が日本製です。
明らかに質感が違いますが、この理由は大きく2つあります。
1. グラスウールに使用されているガラス繊維の太さにあります。
日本製のガラス繊維は最小で3μm(マイクロメートル)〜ですが、中国製のガラス繊維は倍以上です。少し大袈裟な表現をすると、日本製のガラス繊維は目視できないくらいに細いですが、中国製のガラス繊維は髪の毛ぐらいの太さがあります。中国の設備では日本程細い繊維を作ることは出来ない(中国のグラスウールメーカー談)とのことです。繊維が細ければ細いほど、繊維の交差により形成される室が小さくなります。
2. 作り方が違います。
中国製はオレンジ色、日本製は薄い黄色に見えます。これは製造の工程で加わる熱の違いです。熱によりグラスウールは変色します。
※ また、製品としてピンク色や白のグラスウールも販売されています。オーウェン社はピンク色の繊維を主としておりピンクパンサーをメインキャラとしています。
両者を比較しますと、吸音性、断熱性とも日本製の方が優れていますし、加工精度、寸法精度も日本製の方が上です。中国製のグラスウールはカッターで切断すると繊維が粉状に飛散し何枚も切断していると作業台や床が粉まみれになります。また、密度が安定していない、ショットという繊維溜まり(未繊維化粒子)が多く、カッターが引っかかってきれいに切断できません。
※ そもそも中国製のカッターの切断力が低かったというのもありますが・・
日本製のグラスウールは品質が高いです。中国ではオーウェンス社がグラスウールを販売していますが、繊維も太いなど様々な理由で当社では採用出来ませんでした。おそらく、中国で製造しているからでしょう。同じブランドでも対象地域によって品質が違うのは驚きですが、中国では安かろう悪かろうが求められますので当然なのかもしれません。
韓国製のグラスウールも我々が知る限り品質は低いです。(全てのメーカーが品質が低いかは不明です)グラスウールを切断したら中からゴミが出てきたという事例もあります。
バインダーの違い
グラスウールにはガラス繊維の結合材としてバインダーが含まれています。ガラス繊維を結合する際の接着剤で、フェノール樹脂を主成分としています。グラスウールの独特な臭いはフェノール樹脂の臭いが主であるといわれています。各メーカーによりバインダーの量が異なりますので、同じ密度のグラスウールでも硬さなどの質感が異なります。
※ バインダーを使用せずにグラスウールを作ることもあります。
まとめ
グラスウールは、繊維の太さ、繊維の長さ、加熱温度や時間の違い、結合材の配合量などが違いますので、断熱性、吸音性、寸法精度なども異なります。グラスウールを使用する際には注意が必要です。
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