技術情報

無響室とは?

2022/07/19

無響室とは?

無響室は、吸音クサビという凹凸のついた吸音材を壁・天井に施工した半無響室、壁・天井・床に施工した全無響室の2種類があります。

無響室は、室外からの音波を遮断(遮音)し、室内の音は反響しない(吸音)部屋であり、自動車部品や家電製品などから発生する音波を騒音計や分析器で計測するためのものです。

無響室は何のためにある?

音が響かない=デッド、音が響く=ライブと表現しますが、無響室はデッド空間です。無響室の対極にあるのが残響室です。

無響室も残響室も音響測定のための設備ですが、その目的は異なります。無響室は、例えば、音が跳ね返ってくる物が全くない砂漠の真ん中のような環境を作る目的です。

無響室で測定を行いたいもの(測定物)から発生する音が遮蔽物に反射してしまうと、その音は「遮蔽物に影響された音」であり、純粋な測定物の音ではありません。そのために無響室が必要なのです。

無響室の読み方

無響室(むきょうしつ)と読みます。無響音室(むきょうおんしつ)と呼ぶこともあります。

英語ではAnechoic chamberやAnechoic Roomです。

無響室の作り方

一般的には厚いコンクリートや遮音パネルにより完全密閉に近い部屋を作り、吸音クサビを室内に施工します。吸音クサビは測定対象周波数に合わせて厚さや形状を設計します。

ドアは剛壁と同等の構造ですので大型金庫のドアのような厚く重量のある物です。

無響室の価格

価格は仕様やサイズにもよりますが、最低でも数百万円はします。体育館ほどの大きさとなれば、数千万円から億を超える価格となります。

無響室の体験場所

無響室は企業の研究開発に関わる設備ですので、一般公開は基本的にされていないでしょう。

ただ、測定目的の公共機関(都立産業研究所など)であれば有償であれば体験は出来ると思います。

※ ソノーラでは現在一般公開は中止としています。

無響室の規格

ISO3745(JIS Z 8732)など関連規格は多くあります。近年、無響室の規格はアップデートされており、無響室はそれに合わせて進化しています。

無響室はどこで作られる?

国内メーカー

  • ソノーラテクノロジー
  • 日本音響エンジニアリング
  • 日本環境アメニティ
  • リオン
  • 小野測器

海外メーカー

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