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無響室用サイレンサーの新技術?
2020/12/10
- 無響室・防音室のソノーラ
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バイクの排気部に取付けるマフラー、皆さん見たことありますか?
それを付けているのと付けてないのでは、とても大きさ差が出ます。
その魔法みたいな消音効果はマフラーの構造にあります。もちろんマフラーに消音材を付けたりすることで、良い消音効果も得られますが、この記事では、マフラー構造の消音メカニズムに注目して、解明していきたいと思います。
そして弊社はその原理を利用して、弊社製品の無響室のサイレンサーにも活かしていきたいと予定しております。
まず結論から言います。
音の大きさは大気圧(また静圧と呼ぶ、以下は静圧という)からの圧力変動によって決まります。マフラー構造によって、この静圧が小さくなり、音が落ちることになります。
こちらの図を見てください。
これはベルヌーイの定理を証明するベンチュリ管という物です。ベルヌーイの定理を一言で言いますと、流体は動圧(流体の速さで決まる)と静圧(大気圧からの圧力)が常に保存されるという理論です。
まずA点を見ますと、空気がこの太い管に流れてきて、
A点で受ける総圧=動圧+静圧=1/2V2+P/ρ
ただし、v は流体の速さ、p は静圧、ρ は密度を表す。
そしてB点を見ますと、総圧は保存されるとして、一定の空気量を送り出すのに、空間が狭まるため、より速く流さないと送り出せないので、速度が増加します。
出口のC点で、速度が最大に増加します。よってC点では動圧が最大になって、静圧が最小になります。
それを証明するために、下にU型のチューブを設置し、水を注入します。
D点では、動圧の増加によって、静圧が減少しますので、チューブの静圧がそれを埋めるために、上向きの圧力を与えるようになります。
こうした結果、チューブは左側の水が上昇します。そして水柱高さの差はその静圧の差になります。
そしてC点から出てくる音は静圧の低下で静かになります。
ちなみに一般のマフラー構造はこうなっています。
細長い部分はベンチュリ管の左側の部分の働きをします。
理解を助けるために、もう二つの例をあげます。
電車に乗るとき、よく「黄色線の内側までお下がりください」と言われますね。
その原因としては、高速で駅ホームに入ってくる電車の表面の空気は速く流れているので、動圧が高くまた静圧が低いです。
静圧が低いから、周りから電車向きな力が働きます。その力が人に働くと、電車の方に転んでしまうのでとても危ないです。
もう一つの例は飛行機の翼です。こちらの図を見てみましょう。
詳しい原理は省きますが、この翼の形状で、上面の静圧が低くなり、下面の静圧が比較的に強いので、圧力差が発生します。
それによって上向きな揚力が発生します。
これでバッフル構造の原理はお分かりでしょうか。
まとめ
このバッフル構造は弊社無響室のサイレンサーにも大いに役に立つと予想しておりますので、将来のサイレンサー開発に取り入れて、さらに高性能なサイレンサーを開発していきたいと、弊社は考えております。
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