技術情報
材料や構造の遮音性能=防音室の遮音性能?
2020/10/31
- 無響室・防音室のソノーラ
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- 材料や構造の遮音性能=防音室の遮音性能?
防音室は、様々な企業で販売されています。安価な防音室であれば数万円のものや、高価な防音室であれば数百万円もします。同じようなサイズの防音室でも、仕様や金額差に大きな違いがあります。
ソノーラテクノロジーは、組立式防音室を規格品として販売していますが、一般向け防音室と比較すると非常に高価です。
例)
製品 | 遮音性能 | 定価 |
---|---|---|
ソノーラ製防音室 H-2床有 | 42㏈@500Hz | 2,000,000円 |
某社製防音室 2畳タイプ | 41㏈@500Hz | 1,150,000円 |
上記は、同等サイズの当社防音室と某社防音室の比較です。当社防音室は定価ベースで倍近くの金額です。
遮音性能の表記はほぼ同じですので、この情報だけですと、ユーザー側は某社製防音室を購入する方が良いでしょう。しかし、この金額差には理由があります。
その理由は下記の通りです。
- (1)当社は、遮音性能を保証しており、某社は保証していない。
当社:遮音性能保証値を42㏈@500Hz、実測値を53.5㏈@500Hz - (2)某社は、防音室自体の性能か疑わしい。
つまり、実測値条件で比較すると下記の通りとなります。
製品 | 遮音性能 | 定価 |
---|---|---|
ソノーラ製防音室 H-2床有 | 53.5㏈@500Hz | 2,000,000円 |
某社製防音室 2畳タイプ | 1,150,000円 |
特に、産業用や研究開発用に防音室を使用する場合は、防音室を設置した際に、確実に遮音性能を発揮しなければ、話がおかしくなってしまいます。
実際に設置してみたら、予定よりも防音室の性能が悪かった→測定が出来なかった→騒音問題が解決しなかった…というわけにはいきません。
そのために、メーカーであるソノーラテクノロジーでは遮音性能の保証をし、実証測定により保証値を上回ったことを証明します。
保証値は、いわば「この防音室が最小限発揮する値」です。実測値よりも余裕を見て設定していますので、実際の性能は保証値よりも良い性能です。
つまり、上記二社の防音室の条件を合わせれば、はるかにソノーラの方が、遮音性能が高いといえます。
材料の遮音性能=防音室の遮音性能?
各社で販売している防音室の遮音性能には、防音室自体の性能を記載していないことが多いです。例えば、某社の防音室は遮音性能が25㏈と表記してあったとしても、実際に測定してみたところ、15㏈しかなかったなどはよくあります。
当社は「最小限の性能を記載している」が、某社は「最大限の性能を記載している」という違いです。
基本的には、防音室に使用する壁や天井材料や構造は、JIS規格等に基づき公的機関で遮音性能を測定します。(JIS A 1416等)ですが、その材料や構造で防音室を製作しても、その数値通りの遮音性能にはなりません。
なぜなら、公的機関での測定環境は、遮音性能を測定することに特化した環境であり、外部騒音や振動の影響がなく測定に恵まれた環境ですので、最も遮音性能を発揮しやすいのです。
公的機関での測定は、様々な材料や構造を同条件下で比較するためのものですので、これを実際の遮音性能として表記するのは誤りです。
これは、材料や構造であっても、防音室自体でも同じことです。防音室を設置する場所は、世の中に一つとしてありません。
つまり、様々な環境に防音室を設置することは、当然防音室の性能は一定にはなりません。さらに、防音室のドアパッキン、サイレンサーの設計、パネルの隙間や施工精度によっても防音室の遮音性能は変化します。
よって、公的機関での測定値をそのまま表記することはNGですし、実測値自体はあくまでも参考値にしかすぎず、メーカーとしては保証値を記載しなければ、防音室の遮音性能を語ることは出来ません。
専門会社でもこのことに気づいていない会社は多く存在しますし、防音室設置後の測定すら行わない会社もあります。(わかっていて意図的に行う会社もあります。)
当社は、正確な情報をユーザーに提供し実証します。その代わりある程度の金額=適正価格を頂いています。そもそも、当社よりも安い金額で同じ遮音性能を発揮できるならば、当社の存在価値はありません。
材料や構造の遮音性能 ≠ 防音室の遮音性能
(公的機関の測定値) (実際の測定値)
メーカーの遮音性能表記が全て正しいとはいえません。御注意下さい。
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